WB METHOD / PERFORMANCE
WB工法と高気密・高断熱は
両立できる?
断熱・気密・透湿・壁体内通気と、
大臣認定を取得した換気の考え方を整理します。
「壁の中に空気を通すWB工法と、
すき間を減らす高気密住宅は反対の考え方では?」
WB工法について調べていると、このような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。実は、WB工法の「通気」と住宅の「気密」は、同じ場所や目的を指しているわけではありません。
先に結論
WB工法と高気密・高断熱は両立できます。
計画された通気と、意図しないすき間は別のものです。
さらに認定仕様のWB HOUSEでは、機械式24時間換気を常時運転しないことが基本です。
WB工法は、壁の中の空気の流れに加え、室内で生まれた余分な湿気や化学物質を透湿壁から外へ逃がす工法です。一方、断熱は熱の移動を抑え、気密は建物の意図しないすき間から空気が出入りするのを抑える考え方です。
ただし、一般的な高気密住宅の壁構成をそのままWB工法へ当てはめればよい、という意味ではありません。WB工法の働きを活かすには、専用の通気経路、透湿性に配慮した壁構成、正しい部材の施工が必要です。
この記事で分かること
断熱・気密・換気・壁体内通気の違い
住宅性能を調べると、「断熱」「気密」「換気」「通気」という似た言葉が並びます。どれも快適な住まいに関係しますが、働く場所と目的は異なります。
| 言葉 | 主な目的 | 主に働く場所 | 確認方法・指標 |
|---|---|---|---|
| 断熱 | 屋外と室内の熱の移動を抑える | 床・壁・屋根・天井・窓 | 断熱等級、UA値、採用仕様 |
| 気密 | 意図しないすき間からの空気の出入りを抑える | 窓や配管まわり、部材の接合部 | C値、気密測定、施工状態 |
| 一般的な24時間換気 | 室内と屋外の空気を計画的に入れ替える | 居室、給気口、排気口、ダクト | 換気方式、必要風量、給排気経路 |
| 壁体内通気 | 壁や屋根まわりに熱気・湿気をためにくくする | 床下、壁の中、屋根側 | 通気経路、専用部材、施工状態 |
| 透湿 | 材料を通して水蒸気を移動させやすくする | 壁紙、内装下地、壁の構成 | 内装材・下地・壁構成 |
計画された通気と、意図しないすき間は別のものです
WB工法の通気口は、設計によって設けられた空気の経路です。施工不良などによって生じるすき間と同じ意味ではありません。
WB工法と高気密・高断熱が両立する理由
「通気」と「気密」が反対に見えるのは、どちらも空気の動きに関係する言葉だからです。しかし、両者は空気が動く場所と目的が異なります。
PLANNED AIRFLOW
計画された通気
WB工法では、床下から壁の中、屋根側へ続く経路を計画し、専用部材によって季節に応じた空気の流れをつくります。
UNINTENDED LEAKAGE
意図しないすき間
窓、配管、部材の取り合いなどに生じる意図しないすき間は、冷暖房した空気や熱が逃げる原因になります。
WB工法でも、断熱材を適切に施工し、意図しないすき間を抑えることは重要です。冬の暖かさは、WB工法という名称だけでなく、断熱材、窓、気密性、日射、間取り、暖房計画などによって変わります。
一方で、気密性を高めるために、WB工法で必要な通気経路や透湿性まで塞いでしまっては、本来の設計意図を活かせません。両立するためには、WB工法を理解した設計と施工が必要です。
C値の「すき間」と、WB工法の通気部材は同じではありません
C値は、建物にある意図しないすき間の大きさを確認する指標です。気密測定では、計画された換気口などを測定方法に沿って処理します。WB工法の通気経路があることだけを理由に、気密性が低いとは判断できません。
WB工法の通気・透湿
+ 断熱性能
+ 意図しないすき間を抑える施工
+ 窓・局所換気・冷暖房計画
= 住まい全体で考える快適性
丸和ホームでは、富山の冬の寒さと夏の暑さに配慮し、断熱等級6を標準としています。 丸和ホームの家づくりと標準性能はこちら からご覧いただけます。
高気密住宅でも換気は必要?WB工法では答えが異なる
一般的な高気密住宅では、意図しないすき間が少ないからこそ、第一種・第三種などの機械式24時間換気によって計画的に空気を入れ替えます。高気密だから換気が不要になるわけではありません。
一方、通気断熱WB工法は、透湿壁と壁体内通気によって室内のホルムアルデヒド濃度を基準以下に保てる構造方法として、国土交通大臣認定を取得しています。認定仕様に適合したWB HOUSEでは、シックハウス対策のための機械式24時間換気設備を設けずに対応でき、機械換気の常時運転を基本としません。
MINISTERIAL APPROVAL
| 認定名称 | 通気断熱WB工法 |
|---|---|
| 認定番号 | RLFC-0001 |
| 認定日 | 2006年8月11日 |
| 認定取得者 | 株式会社ウッドビルド |
認定の対象と、日常の局所換気は分けて考えます
大臣認定は、別添に定められた部材・壁構成・施工方法への適合が前提です。また、家全体の機械式24時間換気を常時運転しないことと、調理・入浴時にレンジフードや浴室換気扇を使うことは矛盾しません。
機械式24時間換気を常時運転しない省エネ効果
認定仕様のWB HOUSEでは、換気ファンを常時運転する電力がかからないことに加え、第三種換気のように冷暖房した室内空気を機械で継続的に排出しないため、換気による冷暖房負荷を抑えやすいことも特徴です。
実際の光熱費は、建物の大きさ、断熱・気密、窓、設備、設定温度、家族構成、気象条件などで変わるため、一律の削減額では示せません。認定が証明する性能と、省エネにつながる仕組みを分けて説明することが大切です。
出典:認定情報データベース「RLFC-0001」、WB HOUSE公式「よくある質問」
WB工法は湿気をどのように扱う?
WB工法の特徴は、壁の中の通気だけでなく、室内の湿気や化学物質を透湿壁から外へ逃がす経路まで考えている点です。
1.透湿性に配慮した内装と壁構成
室内では、調理、入浴、洗濯物、家族の呼吸などによって水蒸気が発生します。WB工法では、透湿性に配慮した壁紙や下地を使用し、余分な湿気や化学物質が壁側へ移動しやすい構成をつくります。
2.壁の中に空気の通り道をつくる
床下から壁の中、屋根側へ続く通気経路を設け、壁や屋根まわりに熱気や湿気がとどまり続けにくい状態を目指します。
3.季節に応じて通気部材が動く
形状記憶合金を使った通気部材は、電気を使わず温度に反応します。夏は開く方向へ動いて壁の中に空気を流し、冬は閉じる方向へ動いて冷たい外気が壁の中へ入りにくい状態をつくります。
4.除湿機のように湿度を設定する仕組みではない
WB工法は、室内湿度を常に一定の数値に保つ機械設備ではありません。湿度は、外気、部屋干し、入浴や調理、間取り、局所換気、冷暖房の使い方などによって変わります。
「結露やカビが必ずゼロになる」「除湿機が一切いらない」と断定することはできません。
住まい全体の仕様と、局所換気・冷暖房・日々のお手入れを組み合わせて考えます。
夏の詳しい空気の流れは、 「WB工法の家は夏にどう働く?」 でご紹介しています。
UA値・C値だけでは判断できない住み心地
住宅性能を比較するうえで、UA値やC値は大切な指標です。ただし、一つの数値だけで、その家の住み心地や光熱費のすべてが決まるわけではありません。
INSULATION VALUE
UA値
建物全体でどの程度熱が逃げやすいかを表す断熱指標です。一般的には数値が小さいほど、熱が逃げにくいと考えられます。
AIRTIGHTNESS VALUE
C値
建物にどの程度のすき間があるかを、床面積当たりで表す指標です。一般的には数値が小さいほど、すき間が少ないと考えられます。
UA値・C値には表れにくい、透湿壁の働き
ウッドビルドの比較実験では、通気断熱仕様と一般住宅仕様を同じ機械換気0.5回/hの条件で比較し、冷房負荷は13.1~17.0%、湿気を取り除く冷房潜熱負荷は41.5~50.6%低減しました。冷房未使用時の体感温度指標SET※も、各地域で最大1.34~1.56℃低い結果となっています。
出典:株式会社ウッドビルド提供「透湿壁による夏の省エネ効果実験」「透湿壁による夏の快適性の比較」。一定条件下の比較であり、すべての住宅で同じ数値や光熱費削減を保証するものではありません。
性能数値と一緒に確認したいこと
- 窓の性能・大きさ・方角
- 断熱材が途切れにくく施工されているか
- 配管や窓まわりの施工品質
- 冬の日射取得と夏の日射遮蔽
- エアコンの能力・位置・空気の流れ
- 一般的な機械換気か、大臣認定を取得したWB工法か
性能数値を軽視するのではなく、「その数値が何を示しているのか」「数値以外に何を確認するべきか」を理解して比較することが大切です。
富山の気候に合わせて考えたいこと
富山は、冬の寒さや雪だけでなく、梅雨から夏にかけての湿気、強い日射、雨の多さなど、複数の気候条件を考える必要があります。
冬|熱を逃がしにくくする
床・壁・屋根・窓をバランスよく断熱し、意図しないすき間を抑えます。窓際や足元の冷え、洗面脱衣室などとの温度差も確認します。
夏|日射を入れすぎない
断熱性能が高い家でも、強い日射が室内へ入り続けると熱がこもる場合があります。窓の方角に合わせ、軒、庇、外付けスクリーンなどを計画します。
湿気|発生場所と逃がし方を考える
部屋干し、入浴、調理などで湿気が発生する場所を把握し、WB工法の透湿、冷房・除湿、局所換気、収納の配置、扉の位置まで含めて考えます。
空気環境|一般的な機械換気とWB工法を分けて考える
一般的な高気密住宅では、給気から排気までの計画とメンテナンスを確認します。WB HOUSEでは、大臣認定仕様への適合、透湿性のある内装、壁体内通気、キッチン・浴室の局所換気を確認します。
住宅会社に確認したい6つの質問
「高気密・高断熱ですか?」だけでは、具体的な仕様まで分からないことがあります。次のように質問すると比較しやすくなります。
01|断熱等級とUA値は、計画する建物でいくつですか?
標準仕様だけでなく、自分たちのプランでの性能と窓を含む仕様を確認します。
02|気密性は、どのように確認していますか?
C値の目標、気密測定の有無、測定時期、施工方法を質問します。
03|窓は方角や大きさに合わせて選んでいますか?
冬の日射取得と夏の日射遮蔽をどのように考えているか確認します。
04|WB工法の大臣認定仕様に適合しますか?
認定番号、壁構成、透湿性のある内装、通気部材、施工方法まで確認します。
05|キッチン・浴室の局所換気はどう使いますか?
WB HOUSEでも必要となる局所換気の位置、操作、清掃方法を確認します。
06|性能・空気環境・費用を総額で比較できますか?
WB工法、内装、窓、大臣認定、局所換気、冷暖房、将来のお手入れまで含めて比較します。
まとめ|工法名ではなく、組み合わせで考える
WB工法と高気密・高断熱は、どちらか一方だけを選ぶものではありません。WB工法は壁の中の通気や湿気を考え、断熱と気密は室内外の熱や意図しない空気の出入りを抑えます。
この記事のまとめ
- WB工法と高気密・高断熱は両立できる
- 計画された通気と意図しないすき間は別のもの
- 断熱・気密・透湿・壁体内通気は役割が異なる
- 認定仕様のWB HOUSEは機械式24時間換気を常時運転しない
- UA値・C値は重要だが、それだけで住み心地は決まらない
- 窓・日射・局所換気・冷暖房・施工品質まで確認する
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COMPARE / CONSULTATION
工法名や数値だけではなく、
ご家族に合う性能を一緒に考えます。
丸和ホームでは、WB工法、断熱、気密、窓、大臣認定、局所換気、冷暖房を一つずつご説明し、初期費用と維持費も含めて比較します。
よくある質問
Q.WB工法と高気密・高断熱は両立できますか?
はい、両立できます。WB工法は壁の中の通気や湿気を考え、断熱は熱の移動、気密は意図しないすき間を抑えます。ただし、WB工法専用の通気経路や壁構成を守る必要があります。
Q.WB工法は気密性の低い家ですか?
計画された壁体内通気と、施工上の意図しないすき間は別のものです。WB工法でも断熱材や窓まわりを丁寧に施工し、意図しない空気の出入りを抑えることが重要です。
Q.WB工法を採用するとC値は悪くなりますか?
工法名だけでC値を判断することはできません。C値は建物の形状、窓、配管、施工精度、測定条件などによって変わります。気密測定の有無は住宅会社へご確認ください。
Q.WB工法なら24時間換気は不要ですか?
認定仕様に適合したWB HOUSEでは、シックハウス対策のための機械式24時間換気設備を設けずに対応できます。通気断熱WB工法は、機械換気に頼らず求められる性能を確保できる構造方法として、国土交通大臣認定「RLFC-0001」を取得しています。したがって「建築基準法上、WB HOUSEにも機械式24時間換気設備の取付けが必須」という説明ではありません。なお、調理・入浴時の局所換気は必要に応じて使用します。
Q.高気密なWB HOUSEでも、機械換気なしで大丈夫ですか?
高気密であることだけを理由に機械換気を止めることはできません。WB HOUSEでは、透湿壁・壁体内通気・認定部材を含む構造全体が大臣認定仕様に適合することで、機械式24時間換気に頼らない室内空気環境を実現します。
Q.WB工法なら結露やカビは発生しませんか?
結露やカビが必ずゼロになるとはいえません。WB工法は湿気をためにくくする構成を考えますが、外気条件、断熱、施工、部屋干し、局所換気、冷暖房の使い方なども影響します。
Q.UA値が低ければ、必ず暖かく省エネになりますか?
UA値は重要な断熱指標ですが、窓の方角や大きさ、日射、気密性、施工品質、間取り、暖房設備、生活時間によって室温や光熱費は変わります。
Q.WB工法は高気密・高断熱住宅の光熱費を抑えられますか?
断熱・気密によって熱の出入りを抑えることに加え、換気ファンの常時運転電力と機械排気による冷暖房負荷を抑えやすいことは、WB工法の省エネ面の特徴です。ただし、実際の光熱費は建物条件・設備・気象・暮らし方によって異なります。
参考:WB HOUSE「通気断熱WB工法」、WB HOUSE「よくある質問」、認定情報データベース「RLFC-0001」
※断熱・気密・透湿・局所換気・冷暖房の仕様や性能は、建物の設計条件、採用部材、施工、測定条件などによって異なります。