今回は「気密測定」の現場に密着したいと思います。
「C値」という言葉を耳にすることが多くなり、新築をご検討中のお客様からも「丸和ホームのC値はいくつですか?」とご質問をいただくこともあります。
丸和ホームでは新築の工法がいくつかあり、それらによりC値が変わってきます。
最も気密性に優れたプレウォール工法(モノコック構造)では以前建築したモデルハウスでC値0.10を記録しています。
そんな気密測定について今回は深堀を行い気密とは何か、実際に計測を行う現場をお見せいたします!
新築住宅における気密測定とは?
新築住宅を建てる際、快適な住環境を実現するために欠かせない要素の一つが「気密性」です。気密性とは、建物がどれだけ外気を遮断し、室内の空気を逃がさないかを示す指標です。この気密性を数値化し、建物の性能を確認するために行われるのが「気密測定」です。本記事では、気密測定の目的、方法、メリット、注意点について詳しく解説します。
気密性が重要な理由
1. エネルギー効率の向上
気密性が高い住宅では、外気が侵入しにくく、暖房や冷房で調整された室内の空気が逃げにくくなります。これにより、冷暖房効率が高まり、省エネ効果が期待できます。
2. 快適な室内環境
外気が侵入しないことで、室温や湿度が一定に保たれやすくなります。また、隙間風や外の騒音を軽減することも可能です。
3. 健康への配慮
気密性が高い住宅は、外部からの花粉やほこりの侵入を防ぎやすくなります。また、計画的な換気が可能になるため、結露やカビの発生を抑える効果もあります。
気密測定とは?
気密測定は、住宅内外の気圧差を利用して、どれだけの空気が建物に漏れ出したり、侵入したりするかを測定する検査です。具体的には、次のような手順で行われます。
1. 測定の準備
気密測定を行う際は、建物の全ての窓やドアを閉め、計画換気用の開口部以外の隙間を塞ぎます。
2. 測定装置の設置
通常、ドア部分に測定装置を取り付けます。この装置はファンと測定機器を一体化したもので、建物内外の気圧差を作り出します。
3. 測定の実施
装置のファンを回して建物内の空気を外部に排出し、気圧差を作ります。このとき、どれだけの空気が隙間から漏れるかを計測し、気密性能を数値化します。この数値は「相当隙間面積(C値)」として表されます。
気密測定のメリット
1. 建物性能の確認
気密測定を行うことで、設計通りの性能が確保されているかを確認できます。特に、高性能住宅(ZEHやパッシブハウスなど)では、気密性能が重要な評価基準の一つです。
2. 問題点の特定
測定中に漏気箇所が特定できるため、施工不良や設計ミスを早期に発見・修正できます。
3. 長期的なコスト削減
気密性が高まることで、冷暖房費の削減が期待できます。また、結露やカビの発生が抑えられるため、建物の劣化リスクを低減できます。
注意点と課題
1. 設計段階からの配慮
気密性能は、設計段階から考慮する必要があります。例えば、サッシや断熱材の選定、施工方法など、細部まで配慮が求められます。
2. 専門的な技術が必要
気密測定は、専門的な知識や機材が必要です。そのため、信頼できる測定業者に依頼することが重要です。
3. 過剰な気密性への配慮
気密性が高い住宅では、計画的な換気が不可欠です。換気設備が不十分だと、空気の循環が滞り、室内環境が悪化する可能性があります。
実際の測定事例
ある新築住宅で行われた気密測定の事例をご紹介します。以下は、その結果と考察です。
- 建物概要: 延床面積119.14㎡の木造2階建て住宅
- 使用した機材: KNS-5000C型
- 測定結果: C値 = 0.1cm²/m²
この住宅では、設計段階から気密性を重視し、外壁や窓枠の施工に特に注意を払いました。その結果、ZEH基準(C値 ≦ 0.5)をクリアし、お施主様からも高評価を得る結果となりました。
気密測定を成功させるためのポイント
-
信頼できる施工会社を選ぶ
施工精度が気密性に直結するため、実績のある会社を選ぶことが大切です。 -
設計段階での打ち合わせ
設計時に気密性能を考慮し、詳細な計画を立てましょう。 -
測定のタイミング
建築中に一度測定を行い、問題点を早期に修正することをおすすめします。
まとめ
新築住宅における気密測定は、快適で省エネな住まいを実現するために欠かせない工程です。気密性を確保することで、エネルギー効率の向上、室内環境の改善、建物寿命の延長といった多くのメリットが得られます。ただし、設計や施工の段階での注意が必要であり、専門的な知識や技術が求められます。これから新築住宅を建てる方は、気密性にも注目し、快適な住まいづくりを目指してみてはいかがでしょうか。
営業 武岡